- HOME
- キリスト教葬儀の言い方は何? 正しい言い方・宗派ごとの違い・参列マナーをやさしく解説
キリスト教葬儀の言い方は何? 正しい言い方・宗派ごとの違い・参列マナーをやさしく解説
2025年11月25日
キリスト教の葬儀に参列する予定がある方の中には、「そもそも“葬儀”という言い方で良いの?」「キリスト教の正式な言い方は何だろう?」と疑問を持つ方が少なくありません。
仏教では「葬儀」「告別式」という呼び方が広く使われていますが、キリスト教では宗派によって呼び方が異なり、礼拝としての意味を持つ名称が用いられます。この違いを知らないと、「失礼な言い方をしてしまわないか不安」という方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、キリスト教葬儀の呼び方の基本から、宗派ごとの違い、参列時に安心して使える言葉づかいまで、わかりやすく解説していきます。
目次
キリスト教葬儀の言い方は何が正しい?
結論から言うと、キリスト教でも日常会話や案内の中で「葬儀」という言葉を使っても問題はありません。教会に問い合わせるときや、友人・知人に「〇〇さんの葬儀に参列します」と伝える程度であれば、失礼に当たることはほとんどありません。
一方で、教会の公式な案内や礼拝プログラムでは、礼拝としての意味を含んだ正式名称が使われます。たとえば、プロテスタントであれば「召天式」、カトリックであれば「葬儀ミサ」などの表現が用いられます。こうした呼び方にはそれぞれ意味があり、宗派ごとに少しずつニュアンスも異なりますので、後ほど順番にご紹介していきます。

カトリック・プロテスタントで葬儀の言い方はどう違う?
キリスト教は「ひとつの宗教」ではありますが、その中にはいくつかの宗派(教派)が存在します。日本でよく見られるのは、カトリック教会とプロテスタント教会です。それぞれ、葬儀の呼び方や雰囲気に少しずつ違いがあります。
カトリックの場合
カトリックでは、司祭(神父)が中心となって行う典礼(ミサ)が信仰生活の中心にあります。葬儀においてもこの考え方が反映されており、「カトリックの葬儀=故人のためのミサ」という側面が強くなるため、以下の言い方が一般的に用いられます。
- 葬儀ミサ: ミサ(聖体礼儀)として行われる葬儀のこと。聖書朗読、説教、聖体拝領などが含まれる。
- 葬儀式: ミサを伴わない葬儀の形式。司祭の祈りや聖書朗読、故人のための祈願などが行われる。
案内文や掲示には「〇〇氏葬儀ミサ」などと記されることが多く、信徒や教会関係者の間ではこの表現が一般的です。ただし、一般の方に向けた説明では「葬儀(葬儀ミサ)」というように、わかりやすく併記されることもあります。
また、カトリックの葬儀は祭壇・朗読・祈りの順序が定められており、静粛で厳かな雰囲気の中で、故人の永遠の安息を祈り求めます。香炉や聖水など象徴的な儀式が含まれることも特徴です。
プロテスタントの場合
プロテスタント教会では、礼拝そのものが中心であり、「葬儀」も祈りの場・み言葉(聖書)を聴く場として位置づけられます。多くの教会では、次のような呼び方が用いられています。
- 召天式(しょうてんしき): 最も代表的な呼び方で、信者が天に召されたことを覚える礼拝を指します。
- 記念会: 葬儀後に行われる、故人を覚えるための集い・礼拝。
- 告別礼拝: 一般参列者にわかりやすいように使われる日本的な表現。死を“終わり”と考える意味ではなく、地上での関係に一区切りをつけ、感謝をもって送り出すという意図で用いられます。
プロテスタントの牧師は、故人の人生と信仰を振り返りつつ、聖書からのメッセージを語ります。そのため、「故人をしのぶ場」であると同時に、「神のみ言葉を聴く礼拝」である点が大きな特徴です。
儀式は比較的シンプルで、祈り・聖書朗読・賛美歌・説教を中心に進みます。形式にとらわれすぎず、故人の信仰と歩みに焦点を当てる点がプロテスタント葬儀らしい特徴といえるでしょう。
仏教とキリスト教|葬儀で使う言葉と死生観の違い
ここからは、キリスト教の葬儀で戸惑いやすい「言葉づかい」について詳しく見ていきます。日本では仏教式の葬儀が一般的なため、気づかないうちに仏教由来の言葉を使ってしまうことがあります。しかし、宗教ごとに死の捉え方が異なるため、葬儀で使われる表現にも自然と違いが生まれます。
まずは、仏教とキリスト教が「死」をどう理解しているか、その思想(死生観)から整理してみましょう。ここを押さえておくと、どの言葉を選べばよいかがわかりやすくなります。
仏教|輪廻と「成仏」の思想
仏教では、人は生まれ変わりを繰り返すという「輪廻(りんね)」の考え方が中心にあります。現世での人生は一度きりではなく、前世・今生・来世と続く大きな流れの中の一部であり、死はその流れの途中にある出来事とされます。つまり、死は「終わり」ではなく「次の世界へ移るための段階」であり、魂がよりよい状態へ進むための通過点として理解されるのです。
この輪廻をめぐる旅の中で、迷いや執着・苦しみから完全に解放され、穏やかで澄んだ境地に至ることを「成仏」と呼びます。成仏は単に“安らかに眠ること”ではなく、仏のように心が清まり、悟りの境地へ達することを意味する深い言葉です。
そのため、仏教式の葬儀では「ご冥福をお祈りします」「成仏されますように」という表現が自然に使われます。これらの言葉には、故人が迷いなく安らぎに包まれ、次の世界へ平安に導かれますように、という祈りが込められています。日本では仏教文化が広く浸透しているため、宗教を特に意識せずとも、日常の中で馴染み深い弔いの言葉として使われてきました。

キリスト教|死は終わりではなく「神のもとへ帰ること」
一方キリスト教では、死は「人生の終わり」ではなく、「神のもとへ帰る出来事」と捉えられています。人は神によって命を与えられ、生涯を終えると再び神のもとに戻る――この考え方が、キリスト教の死生観の中心にあります。そのため、死を「失われること」と捉えるのではなく、神に抱かれる場所へ移される、という希望を含んだ表現として受け止められています。
聖書には「私はよみがえりであり、命である。私を信じる者は、死んでも生きる」(ヨハネ11章25節)という言葉があります。これは、肉体の死を迎えても、神との関係の中で“永遠の命”が続くという信仰を示す重要な教えであり、多くのキリスト者が「死後に神のもとで再び会える」と信じる根拠にもなっています。
こうした背景から、キリスト教には仏教における「成仏」といった概念は存在しません。故人が迷いを脱して悟りへ至るのではなく、神の愛と平安のうちに迎え入れられるという理解が基本となるためです。
そのためキリスト教の葬儀では、故人が神のもとで安らかに憩っていることを願う意味で、「安息」「平安」「憩い」といった言葉がよく使われます。悲しみを共有しつつも、「再会への希望」や「神の慰め」を語る点が特徴であり、参列者にとっても心に寄り添う祈りの時間となります。悲嘆と同時に希望を見出す――この両方の要素を大切にする姿勢こそが、キリスト教葬儀ならではのやさしさといえるでしょう。

キリスト教の葬儀でふさわしい言葉
ここまで、仏教とキリスト教では死生観が大きく異なることを見てきました。こうした背景を踏まえると、葬儀で用いられる「言葉づかい」も自然と違いが生まれます。では、キリスト教の葬儀ではどのような表現がふさわしいのでしょうか。
キリスト教の葬儀では、故人が神の平安のうちに憩うことを願う意味を込めて、次のような言葉がよく使われます。
- 安息のうちに憩われますように。
- 主の慰めと平安がありますように。
- 故人の魂の安らぎをお祈りいたします。
重要なのは、「どの宗教を前提にした言葉か」を意識することです。「ご冥福」「成仏」は仏教由来の表現であり、キリスト教には存在しません。一方、「安息」「平安」はキリスト教の死生観に基づく言い回しです。宗教背景によって適切な言葉が変わるため、参列前に確認しておくと安心です。
このあと、実際の場面でどの言葉が適切なのか、避けたい表現や安全な言い換えをひと目でわかる表として整理してご紹介します。参列前の確認としても役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。

キリスト教葬儀で使える言葉づかい・あいさつ・言い換え早見表
ここでは、キリスト教の葬儀で実際に使える「言葉の選び方」を場面別にまとめ、さらに避けたい表現と安全な言い換えを一覧表として整理しました。参列前に確認しておくと安心です。
場面別|そのまま使える言い方
| 場面 | 適切な言い方 |
|---|---|
| 参列を伝えるとき |
・「〇〇様の教会での葬儀に参列させていただきます。」 ・「〇〇様の召天式に伺います。」 ・「キリスト教の葬儀と伺い、参列の準備をしております。」 |
| 受付でのあいさつ |
・「ご家族の皆さまのお悲しみに寄り添い、お祈り申し上げます。」 ・「主の慰めと平安がありますように、お祈りいたします。」 ・「ご召天(ご帰天)の報に接し、胸が痛む思いです。」 |
| 式後のあいさつ |
・「お悲しみの中にあっても支えがありますように。」 ・「安息のうちに憩われますように。」 ・「故人の魂の安らぎをお祈りいたします。」 |
避けたい言葉と安全な言い換え(一覧表)
仏教由来の表現は避け、できるだけ中立的またはキリスト教に沿った言葉を選ぶと安心です。
| 避けたい表現 | おすすめの言い換え |
|---|---|
| ご冥福をお祈りします。 | 故人の魂の安らぎをお祈りいたします。/安息のうちに憩われますように。 |
| 成仏されますように。 | 主の慰めと平安がありますように。 |
| ご仏前にお供えください。 | 御前にお供えください。/おささげください。 |
| 仏教式の言い回し全般 | 「ご家族の皆さまのお悲しみに寄り添い、お祈り申し上げます」「お悲しみの中にあっても支えがありますように」など中立的な表現。 |
言葉づかい等のほかにも、服装・供花・香典など、キリスト教の葬儀ならではのマナーが気になる方も多いと思います。以下の記事で、参列前に知っておくと安心できるポイントをやさしく整理していますので、あわせてご覧ください。
- 教会葬儀にふさわしい服装マナーとは?
- 教会葬儀における供花とは? マナー・選び方・献花との違いも解説
- 教会葬儀で香典は必要? キリスト教の葬儀における香典マナーと対応方法
- キリスト教葬儀でのお悔みの言葉|参列前に知っておきたい基礎知識
まとめ
キリスト教の葬儀には「召天式」「葬儀ミサ」など宗派ごとの正式な呼び方がありますが、一般的な会話で「葬儀」という表現を使っても失礼に当たることはありません。ただ、背景となる信仰や死生観を知っておくことで、より自然で誤解のない言葉を選べるようになります。
本記事で見てきたように、仏教とキリスト教では死の捉え方が異なるため、用いられる表現にも違いがあります。言葉選びに迷ったときは、宗教的な意味合いが強すぎない中立的な表現や、キリスト教でよく用いられる「安息」「平安」「憩い」といった言い回しを意識すると安心です。
何より大切なのは、故人やご遺族の信仰に敬意を払い、思いやりを込めて言葉を選ぼうとする姿勢です。その気持ちがあれば、形式にとらわれすぎずとも十分に心は伝わります。
当サイトでは、キリスト教の葬儀に関する不安や疑問に寄り添いながら、信仰を大切にしたお見送りをサポートしています。言葉づかいで迷われた場合も、どうぞお気軽にご相談ください。
福岡の教会葬なら「キリスト教専用旅立ち葬」