- HOME
- キリスト教の追悼ミサとは?参列前に知っておきたい意味・流れ・マナー
キリスト教の追悼ミサとは?参列前に知っておきたい意味・流れ・マナー
2026年1月16日
キリスト教に関わる場面で「追悼ミサ」という言葉を目にし、「葬儀とは違うの?」「参列するときのマナーは?」「信仰していなくても大丈夫?」と戸惑う方は少なくありません。
特に、親族がキリスト教信仰を持っていた場合、自分自身は信仰していなくても、追悼ミサについて理解しておきたいと感じることがあるでしょう。
この記事では、キリスト教における追悼ミサの意味や位置づけを整理しながら、葬儀との違い、当日の流れ、参列時の服装・持ち物・言葉など、初めての方にも分かりやすく解説します。
目次
キリスト教の「追悼ミサ」とは何か
追悼ミサとは、亡くなった方を偲び、その魂のために祈りをささげるために行われる、キリスト教の礼拝・儀式のひとつです。悲しみを表す場というよりも、神のもとへ召された故人を覚え、静かに祈りをささげる時間として位置づけられています。
追悼ミサは、カトリック教会を中心に行われることが多く、「死者のためのミサ」「記念ミサ」などと呼ばれることもあります。日本では一般的に「追悼ミサ」という呼び方が浸透しており、信仰の有無にかかわらず理解しやすい表現として用いられています。
このミサは、故人の魂の安らぎを願うと同時に、残された家族や関係者が心を整え、故人とのつながりをあらためて受け止めるための祈りの場でもあります。そのため、追悼ミサは宗教的な儀式でありながら、遺族や参列者にとっては、心の区切りや慰めの時間としての意味も持っています。
葬儀のように「送り出す」場ではなく、時間を経たあとに行われることで、落ち着いた気持ちで故人を偲び、祈りを重ねることができる点が、追悼ミサならではの特徴といえるでしょう。
追悼ミサと葬儀の違い
追悼ミサを理解するうえで大切なのが、「葬儀との役割の違い」です。どちらも故人のために祈りをささげる点では共通していますが、意味合いや位置づけは異なります。
葬儀は、故人の死を受け止め、神のもとへ送り出すために行われる儀式です。遺族や参列者が集い、別れを告げる場としての性格が強く、人生の最終的な節目として執り行われます。
一方、追悼ミサは、すでに神のもとへ帰った故人を覚え、その魂のために改めて祈りをささげる時間です。別れの場というよりも、故人の存在を心に留め続けるための祈りの集いと考えると理解しやすいでしょう。
そのため追悼ミサは、「葬儀の代わり」として行われるものではありません。葬儀とは別に行われる、故人を偲び、祈りを深めるための場として位置づけられており、時間が経ってから行われることで、より静かで落ち着いた雰囲気の中で執り行われることが多いのも特徴です。
このように、葬儀と追悼ミサは役割が異なりますが、どちらもキリスト教においては大切な祈りの時間です。それぞれの意味を理解しておくことで、案内を受けた際にも戸惑わず、自然な気持ちで向き合うことができるでしょう。

追悼ミサは、時期や役割の面では、仏式でいう法事(年忌法要)と近い意味合いを持つと考えられることがあります。ただし、その考え方や背景は同じではありません。
仏式の法事が故人を供養するための儀式であるのに対し、追悼ミサは、すでに神のもとへ帰った故人を覚え、その魂のために祈りをささげる礼拝です。追悼ミサは「供養」ではなく、祈りを通して故人と神とのつながりを覚える時間として位置づけられています。
追悼ミサはいつ行われる?(時期・案内の見方)
追悼ミサが行われる時期には、教会の伝統に基づいた目安はありますが、日本では必ずしも決まった日程が一律に守られているわけではありません。実際には、遺族や教会の事情、参列者の都合などを踏まえて調整されることが一般的です。
カトリック教会の伝統的な考え方では、故人の魂のために祈りをささげる機会として、次のような節目にミサが行われることがあります。
- 死後3日目・7日目・30日目に行われるミサ
亡くなって間もない時期に行われるこれらのミサは、故人の魂を神に委ね、遺族や関係者が祈りを重ねるためのものです。日本ではすべての日程で行われるとは限らず、30日目のみ行われるなど、家庭や教会ごとに対応が異なります。
- 1年後の召天記念日に行われるミサ
召天記念日とは、故人が神のもとへ召された日、つまり命日を指します。1年という節目は、キリスト教においても大切にされる時期であり、この日に死者記念のミサや追悼ミサが行われることがあります。葬儀後、時間が経ってから改めて故人を偲び、祈りをささげる機会として位置づけられています。
- 10年目・20年目など区切りの年に行われる追悼ミサ
その後は、必ず毎年行われるというよりも、10年目・20年目といった節目の年に、親族や関係者が集まりやすい形で追悼ミサが行われることがあります。規模も家庭によって異なり、静かな祈りの場として行われる場合もあれば、多くの人が参列することもあります。
案内状や連絡には、「追悼ミサ」「記念ミサ」「死者のためのミサ」「召天記念ミサ」など、さまざまな表現が使われることがあります。呼び方が違っていても、故人を覚え、その魂のために祈りをささげるミサとして理解しておくと安心です。
追悼ミサに参列する前に知っておきたい基本マナー
追悼ミサは、葬儀とは異なり、比較的落ち着いた雰囲気の中で行われる祈りの集いです。そのため、「どこまで葬儀と同じように考えればよいのか」「失礼にならないだろうか」と戸惑う方も少なくありません。
ここでは、初めて追悼ミサに参列する方でも安心して臨めるよう、服装・持ち物・当日の振る舞いなど、基本的なマナーを分かりやすく整理していきます。大切なのは形式を完璧に整えることではなく、故人を偲び、祈りの時間に静かに向き合う姿勢です。
服装は「落ち着いた平服」が基本
追悼ミサの服装は、葬儀ほど厳格に喪服が求められるケースばかりではありません。一般的には、黒・紺・グレーなど落ち着いた色味の平服や略喪服が選ばれます。
男性であればダークスーツ、女性であれば控えめなワンピースやアンサンブルなどが無難でしょう。華美なアクセサリーや明るすぎる色合いは避け、全体として静かな印象を心がけることが大切です。
ただし、案内に「喪服で」「平服で」などの指定がある場合は、その案内に従うのが最も確実です。迷う場合は、「葬儀より少し控えめだが、きちんとした服装」を意識すると安心です。
持ち物は最小限でOK(数珠は不要)
追悼ミサでは、仏式のように数珠を用いることは基本的にありません。そのため、数珠を準備する必要はなく、持ち物は必要最低限で問題ありません。
ハンカチやティッシュ、小さめのバッグ程度があれば十分で、特別な持参物が指定されていない限り、過度に準備をする必要はありません。
教会によっては、ミサの進行に合わせて使用する聖歌集(賛美歌集)や式次第を貸し出してくれることもあります。案内状に持参物の記載がある場合は、その内容に従いましょう。
到着時間は少し早めが安心
教会で行われるミサは、開始時間が比較的きちんと守られることが多く、途中入場を控える雰囲気の場合もあります。そのため、開始の10〜15分前を目安に到着しておくと安心です。
特に初めて訪れる教会では、受付の場所や着席の流れが分からないこともあります。早めに到着しておくことで、周囲の案内に従いながら落ち着いて行動できるでしょう。
言葉がけは「静かに寄り添う」意識で
追悼ミサは、参列者同士の会話よりも、「祈りの時間」を大切にする場です。遺族へ言葉をかける場合も、無理に長い言葉を用意する必要はありません。
「心よりお祈りしています」「お大事になさってください」など、短く気持ちを添えるだけでも十分に弔意は伝わります。沈黙が不自然に感じられる必要はなく、静かに寄り添う姿勢そのものが大切にされます。
宗教的な言葉や専門的な表現を無理に使う必要はありません。遺族に気を遣わせないこと、場の雰囲気を乱さないことを意識しながら、自然な振る舞いを心がけましょう。
追悼ミサ当日の流れ(一般的な例)
追悼ミサの進行は教会や宗派によって多少異なりますが、参列者としての立ち居振る舞いは共通している部分も多く、全体の流れをあらかじめ知っておくと安心です。ここでは、一般的な追悼ミサの進行例をご紹介します。
-
開式(司式者:神父様など)
ミサは神父様(司式者)の導きによって静かに始まります。参列者は着席した状態で迎えることが多く、開式の言葉とともに祈りの時間が始まります。 -
祈り
故人の魂の安らぎや、遺族への慰めを願う祈りがささげられます。神父様の言葉に続いて、参列者が心の中で静かに祈る時間となります。 -
聖書朗読
聖書の一節が朗読され、死と希望、神の愛についてのメッセージが語られます。参列者は着席したまま耳を傾けることが多く、無理に内容を理解しようと構える必要はありません。 -
説教(メッセージ)
神父様から、故人の歩みや信仰、残された人々への励ましの言葉が語られます。説教は故人を偲ぶと同時に、参列者自身が生と死について静かに向き合う時間でもあります。 -
共同祈願
故人や遺族、世界の平和などについて、共同で祈りをささげる場面です。起立や着席の指示がある場合は、周囲の動きに合わせれば問題ありません。 -
閉式
祈りの締めくくりとして、神父様の祝福の言葉とともにミサは終了します。閉式後は、遺族へ簡単に挨拶をする場合もありますが、静かな雰囲気を保つことが大切です。
追悼ミサでは、参列者が起立・着席を求められる場面がありますが、細かな作法が分からなくても問題ありません。周囲の動きを参考にしながら、落ち着いて行動すれば失礼にあたることはありません。
信仰していない立場でも参列して大丈夫?
「自分はキリスト教を信仰していないが、追悼ミサに参列しても問題ないのだろうか」と、不安に感じる方は少なくありません。特に、親族や身近な方がキリスト教信仰を持っていた場合、自分が場違いに思われないか心配になることもあるでしょう。
しかし、追悼ミサは信仰を強制する場ではありません。追悼ミサは、亡くなった方を偲び、その魂のために祈りの時間を持つことを目的とした集いであり、参列者全員が同じ信仰を持っている必要はありません。
実際、キリスト教の追悼ミサには、信仰を持たない親族や友人、職場関係者が参列することも多くあります。祈りの言葉を口にしなくても、起立や着席の場面で無理に合わせる必要がなくても、静かにその場に身を置くだけで十分に意味があります。
大切なのは、形式や作法を完璧にこなすことではなく、故人を偲び、遺族に寄り添う気持ちを持って参列することです。その姿勢こそが、追悼ミサにおいて最も大切にされるものといえるでしょう。
参列前に不安がある場合は、教会や葬儀社に確認を
追悼ミサは、教会ごとの慣習や当日の進行によって、細かな流れや対応が異なることがあります。服装の指定、持参物の有無、受付の方法などが案内状から読み取りにくい場合は、事前に確認しておくと安心です。
案内に記載されている教会や葬儀社へ問い合わせることは、決して失礼な行為ではありません。むしろ、事前に不安を解消しておくことで、当日落ち着いて参列でき、遺族や周囲への配慮にもつながります。
とくに、親族がキリスト教信仰を持っていた一方で、自分自身は信仰していない場合、式の流れや立ち振る舞いに戸惑いやすいものです。分からない点を事前に整理し、必要な確認をしておくことで、「どう振る舞えばよいか分からない」という不安を軽減できます。
追悼ミサは、形式よりも心のあり方を大切にする場です。事前の確認を通じて安心して当日を迎えることも、故人と遺族に向き合うための大切な準備のひとつといえるでしょう。
まとめ
キリスト教の追悼ミサは、葬儀とは異なり、亡くなった方を覚え、その魂のために改めて祈りをささげるための大切な時間です。別れの場というよりも、時間を経て静かに故人と向き合い、祈りを通して心を整えるための集いとして位置づけられています。
追悼ミサは、時期や形式が一律に決まっているものではなく、教会や遺族の考え方によって行われます。案内状に記された呼び方や日程に戸惑うことがあっても、「故人を偲び、祈りをささげるミサ」であると理解しておけば、過度に構える必要はありません。
参列する際は、落ち着いた服装を心がけ、持ち物は最小限にし、祈りの時間に静かに寄り添う姿勢を大切にしましょう。作法や流れが分からなくても、周囲に合わせて落ち着いて行動すれば、失礼にあたることはありません。
また、追悼ミサはキリスト教信仰を持っていない方でも参列できる場です。信仰の有無よりも、故人を偲び、遺族に寄り添う気持ちが何より大切にされます。「分からないから行けない」と思い込まず、できる範囲で向き合うことが自然な形といえるでしょう。
事前に不安がある場合は、教会や葬儀社に確認することも、故人や遺族への配慮のひとつです。無理をせず、自分にできる形で追悼ミサに向き合うことが、心を込めた弔いにつながります。
みこころ舎では、キリスト教葬儀(教会葬)や追悼ミサに関する不安や疑問に寄り添いながら、ご家族や参列者のお気持ちを大切にしたご案内を行っています。追悼ミサについて分からないことがある場合も、どうぞお気軽にご相談ください。
福岡の教会葬なら「キリスト教専用旅立ち葬」