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教会葬儀で香典は必要? キリスト教の葬儀における香典マナーと対応方法

2025年7月8日

「キリスト教の葬儀に参列することになったが、香典はどうすればいいのか分からない」「仏式とは違うと聞いたが、何が違うのか具体的に知りたい」──そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

キリスト教の葬儀、いわゆる「教会葬」は、カトリックやプロテスタントといった宗派によって儀式の進行や考え方が異なり、仏教式の葬儀とはマナーの面でも違いが見られます。なかでも、「香典」はその代表的な例です。

この記事では、教会葬儀における香典の扱いやマナー、注意点について詳しく解説します。あわせて、表書きや金額相場、ご遺族への配慮の仕方なども紹介しますので、キリスト教に不慣れな方でも安心して準備ができるようになるでしょう。

教会葬における「香典」の考え方

仏教における「香典」は、文字通り「香(お線香)を供える代わりに金銭を包む」という意味合いがあります。葬儀の際に故人の冥福を祈り、供養の一環として金銭を贈るこの習慣は、日本文化に深く根付いています。

一方、キリスト教の葬儀では、お線香を供える「焼香」の習慣がないため、「香典」という言葉自体が宗教的な意味合いとしては一致しません。キリスト教においては、香を焚く儀礼は存在せず、あくまでも「祈り」や「花を捧げる」ことが故人への敬意を表す手段とされています。

とはいえ、日本国内では文化的な慣習として、キリスト教の葬儀でも金銭を包むことが一般的に行われており、その際に「香典」という呼称を使う場面も少なくありません。ただし、実際には「献金」「お花代」「御花料」といった表現が適しており、より宗教的な背景に配慮した呼び名が推奨されます。

御花料

「香典」ではなく「御花料」と表現するのが一般的

キリスト教の葬儀では、仏式で広く用いられる「香典」という言葉は避け、「御花料(おはなりょう)」という表現を使うのが一般的です。これは、花を故人へ捧げるという象徴的な意味を持ち、命や復活の象徴とされる花が重視されるキリスト教の価値観に基づいた表現です。

また、キリスト教では「香典返し」がないことも多く、そうした違いに配慮して適切な呼び名を使うことで、宗教的背景を尊重した弔意を示すことができます。表書きに関しては宗派ごとに適した表現があり、誤解を避けるためにも正しい表現を選ぶことが大切です。詳しくは、後述の「表書きの書き方」の章でご紹介します。

金額の相場について

教会葬(キリスト教式葬儀)における御花料(香典相当)の金額は、仏式と大きく異なるわけではありません。故人との関係性や参列者の年代によって金額の目安がある程度決まっており、地域や家庭によっても差が見られます。

両親・兄弟姉妹の場合

  • 両親への御花料:20代・30代では5万円、40代以降では10万円が目安
  • 兄弟姉妹の場合:20代では3万円、30代以上では5万円程度

祖父母・親戚・知人・職場関係者等の場合

  • 祖父母:1万円〜3万円程度
  • 叔父・叔母・いとこなどの親戚:1万円〜3万円程度
  • 職場関係者や友人:5千円〜1万円程度
  • 知人・ご近所の方:3千円〜5千円程度

年代や立場による考慮

  • 一般的に、年齢や社会的立場が上がるにつれて金額も高くなる傾向があります。
  • 学生や20代前半など、収入が少ない場合は無理のない範囲で問題ありません。

宗派や儀式による注意点

  • カトリックでは追悼ミサ(記念ミサ)を行う場合、「御ミサ料」を別途包むことがあります。
  • 教会やご遺族に事前確認することで、失礼のない対応ができます。
  • キリスト教では香典返しを行わないことが多いため、過度な金額は控える配慮も大切です。

御花料は、金額そのものよりも「敬意を込めて丁寧に包む姿勢」が大切にされます。迷った場合は、ご遺族や葬儀を担当する教会に相談するのが安心です。

表書きと中袋の書き方

御花料などを包む際は、筆ペンの薄墨(できれば薄く濃さを調整できるタイプ)が望ましいとされています。これは「慌ただしく駆けつけたため墨を磨れなかった」「涙で墨が薄くなった」という象徴的な意味合いが込められており、教会葬でもキリスト教葬全般に共通するマナーです。ただし用意できない場合は、黒墨でも失礼には当たらないとされていますので安心してください。

表書きや氏名、中袋の記載に使う筆記具は、できれば薄墨の筆ペンや毛筆を準備し、墨の濃淡や筆圧に配慮して丁寧に書くと、心のこもった印象を与えられます。

表書きの書き方

教会葬で香典をお包みする場合、仏式の「香典」という表現は用いず、「御花料」など宗教に合わせた言葉を使います。以下は主に使われる表書きの種類と、それぞれの意味・使い方です。

  • 御花料(おはなりょう):カトリック・プロテスタント問わず使え、最も広く使える表記です。
  • 御霊前(ごれいぜん):カトリックでは使用されることがありますが、プロテスタントでは不適切とされます。
  • 御ミサ料:カトリックで追悼ミサ(記念ミサ)を行う際に用いられることがあります。御花料とは別に包むものです。
  • 献花料・忌慰料:プロテスタントの一部で使用されることがあり、教会の方針によって案内される場合があります。

これらの表書きが宗派ごとにどのように使われるかを、以下の表にまとめました。

表書き カトリック プロテスタント 備考
御花料 最も広く使える表記。宗派を問わず使用可能
御霊前 × プロテスタントでは避けた方がよい
御ミサ料 × カトリックの追悼ミサ用(香典とは別扱い)
献花料・忌慰料 プロテスタントの一部で使用されることがある

表書きの実際の書き方としては、香典袋の上段に「御花料」などの用途を、下段には差出人の名前を記載します。記載方法にはいくつかの形式があり、人数や関係性によって書き方が異なります。以下のような基本的ルールに従って記入すると丁寧な印象を与えられます。

  • 上段:用途に応じて「御花料」「御霊前」「御ミサ料」などを記入します。宗派によって使い分ける点に注意が必要です。
  • 下段(1名の場合):フルネーム(姓と名の両方)を毛筆または筆ペンで丁寧に書きます。縦書きの場合は姓を上に、名を下に並べる形式が一般的です。中心を意識して配置しましょう。
  • 下段(2~3名の連名):氏名を横並びに記載します。このとき、右側が最も上位の人(年長者や肩書きの高い方)になるように並べるのがマナーです。また、中心揃えにして書くと見栄えもよく、丁寧な印象になります。
  • 下段(4名以上の連名):外袋には代表者の名前のみを記入し、その左側に「外○名」「ほか○名」と添えます。全員の氏名は中袋または別紙に明記します。別紙を使用する場合は、氏名とともに所属や続柄などを簡単に記載するとより親切です。

また、文字の大きさや位置にも注意し、名前が中央にくるように意識すると美しく仕上がります。表書きは故人やご遺族への敬意を表す大切な部分ですので、急いで書くのではなく、静かな気持ちで丁寧に記載するようにしましょう。

中袋の記載法

香典袋に中袋(内袋)がある場合は、必ず金額と差出人の情報を明記しましょう。中袋は香典の中身と贈り主を伝える大切な役割を果たします。金額は中袋の表面に記入しますが、読みやすく改ざんされにくいよう、漢数字の中でも「大字(だいじ)」と呼ばれる字体を用いるのが一般的です。たとえば「金壱萬円也」や「金参萬円也」などと書き、末尾に「也(なり)」を添えることで不正を防ぐ意味合いもあります。

金額(アラビア数字) 漢数字での書き方
1,000円 金壱仟円也
3,000円 金参仟円也
5,000円 金伍仟円也
10,000円 金壱萬円也
30,000円 金参萬円也
50,000円 金伍萬円也
100,000円 金壱拾萬円也

大字には、壱(一)、参(三)、伍(五)、拾(十)、仟または阡(千)、萬(万)などがあり、通常の漢数字と区別されます。特に金額の「千円」は「仟円」または「阡円」と表記されることが多く、誤読や改ざん防止の役割を果たしています。

裏面には、差出人の「郵便番号・住所・氏名」を縦書きで記入します。文字の大きさやバランスにも注意し、読みやすく書くのがポイントです。

中袋に記入された情報は、ご遺族が整理・管理する際の助けになります。特に金額が読みにくい場合や氏名・住所が不明瞭だと、お礼や香典返しの手配にも支障が出るため、はっきりと書くよう心がけましょう。

連名での記載方法

連名で香典を贈る場合は、人数に応じて書き方を工夫する必要があります。記載順や形式には配慮が求められ、失礼のないように注意しましょう。

  • 2名の場合:香典袋の下段に、右から目上の人、左に目下の人の順に氏名を横並びで記入します。
  • 3名の場合:中央揃えで記入し、右から目上順に並べるのが一般的です。
  • 4名以上の場合:外袋の裏面に代表者名+「外○名」や「ほか○名」と記載し、全員の氏名は中袋または別紙にまとめて明記します。
    例:「佐藤太郎 ほか3名」と表記し、別紙に「佐藤太郎/田中一郎/鈴木花子/山本健一」といった形で記載します。

別紙を使用する際は、香典袋の中に丁寧に折って同封しましょう。差出人の情報は正確に伝えることが大切です。

中袋なしの場合

市販の香典袋には中袋が付属していない略式のタイプもあります。この場合は、外袋の裏面に必要な情報をすべて記載するようにします。

  • 裏面に記載する項目:金額(漢数字)、郵便番号、住所、氏名をすべて縦書きで記入
  • 封筒の折り返し部分:「上側が外・下側が内」になるように重ねることで、「不幸を重ねない」意味合いが込められます。

略式の場合でも、記入は丁寧に行いましょう。必要に応じて金額や氏名が明瞭になるよう、封筒の余白を使って整えて記載することも配慮の一つです。

お花料

渡すタイミングとマナー

キリスト教の教会葬では、仏式と異なり「香典(御花料)」を渡すことが必須のマナーとはされていません。そのため、渡すタイミングや所作においても、形式的な手順にこだわりすぎる必要はありませんが、丁寧な気持ちが伝わるよう心を込めた対応が求められます。

御花料を渡す際の基本的な流れは以下の通りです。

  • 受付が設けられている場合:まず記帳を済ませ、ふくさから御花料を取り出して表書きが相手から読める向きに整えたうえで、両手で丁寧に受付担当者に手渡します。この際、「ご逝去の報に接し、心よりお祈り申し上げます」や「安らかな眠りをお祈りいたします」など、キリスト教の場にふさわしい静かな言葉を添えると丁寧です。
  • 受付がない場合:教会の案内や状況を見ながら、ご遺族または教会関係者に直接お渡しします。式の前後や休憩時間など、落ち着いたタイミングを選ぶことが大切です。

ご遺族が式の進行などで忙しそうな場合は、無理に話しかけたり手渡しをせず、式後にあらためてお渡しするか、後日郵送するという対応でも問題ありません。

また、ふくさの色は紫やグレーなど、弔事用のものを選びましょう。なお、白や明るい色のふくさは祝い事用とされているため避けるのが無難です。

教会葬におけるマナーの基本は、「遺族の意向や式の流れに配慮すること」。仏式の作法と異なる場面もありますが、相手を思いやる姿勢と控えめで誠実な対応が何よりも大切です。

香典辞退の場合の対応

キリスト教葬儀では、「香典辞退」の意向を明示されることもあります。その場合は無理に持参せず、素直に受け入れることが礼儀です。

香典辞退が告知されていた場合は、代わりに次のような対応が考えられます。

  • 献花のみを行う(事前に準備された白いカーネーションなど)
  • ご遺族宛にお悔やみの手紙を送る
  • 供花を贈る(教会や遺族と事前確認を必ず行う)

キリスト教の葬儀では「祈り」が中心に据えられるため、無理に金銭を用意する必要はありません。気持ちを込めた献花や言葉こそが、ご遺族の慰めにつながります。

供花については以下の記事でも詳しくご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。
>>教会葬儀における供花とは?マナー・選び方・献花との違いも解説

自分が信仰していない場合の配慮

「故人やご遺族はキリスト教徒だが、自分自身は特定の信仰を持っていない」「他宗教を信仰している」という状況は決して珍しくありません。そのような場合でも、もっとも大切なのは、相手の信仰や式の進行に対して敬意と理解をもって臨むことです。

無理にキリスト教の所作を取り入れる必要はありませんが、教会葬の場では周囲と調和をとる姿勢を大切にし、以下のような配慮を心がけましょう。

  • 自分が信仰していない場合は、十字を切る動作は控える
  • 礼拝中は着席したまま静かに祈る、または目を閉じて黙とうの姿勢をとる
  • 献花の場面がある場合は、促されるままに静かに従い、白い花を手向ける

また、教会内では帽子を脱ぐ・携帯電話の電源を切る・無用な私語を慎むといった基本的なマナーも、宗教に関わらず重要です。

御花料(香典)をお渡しする際にも、仏教的な表現である「ご冥福をお祈りします」「成仏を願います」などは避け、「安らかな眠りをお祈りいたします」「心よりお祈り申し上げます」などの言葉を選ぶと、キリスト教の葬儀にもふさわしい形となります。

信仰の違いがあっても、敬意をもって静かに見送りの場に立ち会うことで、故人と遺族への誠実な想いはきっと伝わります。

教会葬イメージ写真

まとめ

キリスト教の教会葬では、香典にあたる「御花料」や「献金」などの表現や扱いにおいて、仏式とは異なるマナーや配慮が求められます。表書きの書き方、中袋の記載方法、渡すタイミングなど、事前に正しい知識を身につけておくことで、心のこもった対応が可能になります。

とはいえ、最も大切なのは、形式や作法にとらわれすぎず、故人とご遺族の信仰に敬意を払い、静かな祈りの気持ちで見送ることです。信仰が異なる場合でも、その場にふさわしい所作や言葉を選ぶことで、誠実な弔意はきっと伝わります。

なお、教会葬に不安を感じている方や慣れていない方もご安心ください。当社では、キリスト教式の葬儀に詳しい担当者が在籍しており、宗派の違いや式の流れに応じたご案内を丁寧に行っております。事前のご相談や不明点についても、どうぞお気軽にお問合せください。

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