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教会葬儀に弔電を送りたい方へ|文例とマナーを詳しく解説
2025年6月19日
キリスト教信仰を持つ知人やご家族の訃報に接し、葬儀へ参列できない場合、「弔電を送りたいけれど、仏式と同じで良いのか?」と不安を感じる方も少なくありません。
本記事では、キリスト教の葬儀(教会葬)における弔電の基本マナー、仏式との違い、適切な文例などをわかりやすくご紹介します。
弔電とは?
弔電(ちょうでん)とは、訃報を受けた際に、葬儀の場に直接参列できない場合などに、故人の冥福を祈り、遺族への哀悼の意を表すために送る電報のことです。もともとは電報サービスを通じて送るのが主流でしたが、現在ではインターネットを活用したオンライン申込みや郵送形式など、多様な方法で手配が可能となっています。
弔電は単なる形式的な連絡ではなく、遠方や仕事の都合で葬儀に参列できない方が、直接会えない代わりに「心を届ける」ための大切な手段です。特に故人との関係が深かった場合には、弔電を通じてご遺族にその想いが伝わり、心の支えとなることもあります。
キリスト教における葬儀(教会葬)においても、弔電を送ることは一般的に受け入れられており、マナーとしても問題ありません。ただし、仏式とは異なる信仰的背景があるため、文面や使う言葉には注意が必要です。キリスト教の世界観に合った言葉を選ぶことで、故人やご遺族に対する敬意をより丁寧に示すことができます。
また、キリスト教の弔電には、信仰に基づいた言葉が好まれますが、送り手がクリスチャンである必要はありません。信仰に関係なく、心のこもった内容であれば十分に相手に伝わります。大切なのは、故人と遺族への思いやりと、敬意をもった姿勢です。
仏式との違い
日本においては、葬儀の多くが仏式で行われており、弔電の文例もそれに準じたものが多く見られます。しかし、キリスト教の葬儀(教会葬)では、仏教とは異なる宗教観に基づいて儀式が行われるため、使うべき言葉や表現には注意が必要です。
たとえば、仏式では「ご冥福をお祈りします」「成仏されますように」といった言葉が一般的に使われますが、これらは仏教的な世界観に基づいた表現です。キリスト教においては、「冥福」や「成仏」といった概念が存在しないため、これらの表現は避けるのがマナーとされています。代わりに「安らかな眠りをお祈りいたします」「天に召されたことを心よりお祈りいたします」など、キリスト教の信仰に配慮した言葉が適切です。
また、仏教では輪廻転生や仏になるという思想がありますが、キリスト教では「死は終わりではなく、新たな命の始まり」であるとされます。故人が神のもとに召され、永遠の命を与えられるという信仰が根底にあるため、「旅立ち」「召される」「永眠される」などの表現が好まれます。
仏式と同様に、宛先は基本的に喪主やご遺族となりますが、故人が教会に所属していた場合は、教会名や信仰上の敬意を表現に反映させると、より丁寧な印象になります。
宗教的な違いを意識しながらも、弔電の本質は「想いを届けること」にあります。形式だけにとらわれず、相手の信仰に寄り添った表現を選ぶことが、心を届ける最良の方法です。
弔電を送る際のマナー
キリスト教式の葬儀においても、弔電は故人やご遺族に対する大切な気持ちの表現手段として広く受け入れられています。特に仕事や距離の関係で参列が難しい場合、弔電を送ることは誠意ある対応と受け止められます。ただし、仏式とは異なる信仰体系を持つ教会葬では、弔電の送り方や文面の内容にも一定のマナーがあります。
まず、弔電を送るタイミングですが、可能であれば葬儀当日の開式前に届くよう手配するのが望ましいです。早めの手配を心がけ、遅くとも告別式の前日までには依頼しておくと安心です。葬儀の詳細(日時・場所・喪主名など)は、事前に正確に確認しましょう。
弔電の宛先は「喪主様」「ご遺族様」とするのが基本です。相手の氏名が分かっている場合はフルネームを使用して問題ありません。キリスト教式の場合、差出人が信仰の有無にかかわらず、教会名や宗派に言及する必要はありませんが、故人との関係性が深い場合や教会所属者であった場合には、その旨を添えると心のこもった文面になります。
次に文面のマナーです。前章でも述べた通り、「ご冥福をお祈りします」など仏教的な表現は避けるのが基本です。仏教由来の表現(例:「ご冥福をお祈りします」「成仏されますように」など)は避け、キリスト教の価値観に沿った言葉選びを心がけましょう。具体的な文例については、次章「キリスト教式の弔電文例」をご参照ください。
差出人名の記載については、フルネームで記し、会社名や団体名などがある場合は併記します。個人で送る場合でも、相手が誰からの弔電かすぐにわかるようにすることが重要です。必要に応じて連絡先(電話番号や住所)を記載する場合もありますが、弔電の形式によっては省略されることもあります。
また、文面にあまりにも長文を記すと、読み上げの際にご遺族に負担をかけてしまうことがあります。適度な長さ(3〜6行程度)にまとめ、伝えたい想いを簡潔に表現することが望ましいとされています。
教会葬では、神聖で静謐な空間で葬儀が進行するため、言葉遣いに加えて“精神的な敬意”を込めた姿勢が求められます。弔電はただの儀礼ではなく、故人を悼む「祈り」のかたちの一つです。形式よりも真心を大切に、相手に寄り添うメッセージを送りましょう。
キリスト教式の弔電文例
教会葬における弔電は、仏式と異なる言葉遣いや信仰への配慮が必要です。ここでは、関係性や立場に応じた文例を豊富にご紹介します。形式にとらわれすぎず、故人やご遺族への想いを丁寧に伝えることが大切です。
一般的な文例(カトリック/プロテスタント共通)
- このたびのご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。主のもとで安らかな眠りがありますようお祈りいたします。
- 〇〇様のご逝去に深く哀悼の意を表します。神の御許での平安を心よりお祈り申し上げます。
- 突然の訃報に接し、ただただ驚いております。〇〇様が神に抱かれ、永遠の安息に導かれますように。
- 〇〇様の信仰と人生に敬意を表し、その魂の平安を心よりお祈り申し上げます。
- この深い悲しみの中にあっても、主の慰めがご遺族の皆様に注がれますよう祈っております。
カトリックの方へ向けたお祈りの文例
- 〇〇様が天の御国に召され、永遠の安息の中にありますようにお祈りいたします。
- このたびの訃報に接し、深い悲しみとともに、主の憐れみと慰めを願い祈りを捧げます。
- 信仰に満ちた〇〇様のご生涯に敬意を表し、天にて主と共に永遠の平安を得られますように。
- 神の御許に召された〇〇様の魂が、いつまでも主の光のうちにありますようお祈りいたします。
- 〇〇様の旅立ちに際し、カトリック信仰に根ざした祈りとともに、心より追悼の意を表します。
プロテスタントの方へ向けたお祈りの文例
- 〇〇様の信仰に基づく生涯に感謝し、主の御腕に抱かれて安らかに眠られますようにお祈りします。
- この世での旅路を終えた〇〇様が、天に召され、永遠の命を受けられますよう祈念いたします。
- 〇〇様の証しと歩みに敬意を表し、主のもとでの安息とご遺族の慰めを願っております。
- 主に召された〇〇様が、信仰の約束のとおり、新しい命に生きておられることを信じています。
- 〇〇様の天への旅立ちを祈り、残された皆様が主の平安の中で慰められますようにお祈りします。
遺族が信仰を持つご家庭への文例
- 主がこの悲しみの中で、あなたとご家族を慰め、平安を与えてくださいますように。
- 神の祝福と慰めが、〇〇様のご家族を包みますようお祈り申し上げます。
- 神様の愛が、ご遺族の心を支え、この困難な時にも希望を見出せますよう祈っております。
- 〇〇様の旅立ちに際し、ご家族の皆様が主の平安のうちに守られますよう心よりお祈りいたします。
- 主があなた方の悲しみに寄り添い、これからの日々にも希望の光を照らしてくださいますように。
職場・知人向けのシンプルな文例
- このたびのご訃報に接し、心より祈りを捧げます。〇〇様が天の御国で安らかに過ごされますように。
- 〇〇様のご逝去に深くお悔やみ申し上げます。主のもとで永遠の安らぎがありますように。
- 訃報に接し、心より哀悼の意を表します。神の御手の中で安らかに過ごされますように。
- 心からお悔やみ申し上げます。〇〇様が主と共に歩まれることを祈念しております。
- ご家族の皆様に、主の慰めと力が注がれますようにお祈り申し上げます。
※「ご愁傷様」や「ご冥福をお祈りします」などは仏教由来の表現であるため、キリスト教葬儀では避け、「お祈りいたします」「天の御国での平安を」などの表現が適しています。
短い文例(略式)
- 〇〇様が神の御許で安らかに過ごされますよう祈ります。
- 主に召された〇〇様の魂に、永遠の平安がありますように。
- 〇〇様の旅立ちに際し、心より祈りを捧げます。
- 安らかな眠りと、神の祝福をお祈りいたします。
- 〇〇様の思い出が、永遠に心に残りますように。
英語で送りたい場合の文例(日本語訳付き)
-
May God’s peace and comfort be with you in this time of sorrow.
(この悲しみの時に、神の平安と慰めがあなたにありますように) -
Our heartfelt condolences on the passing of ○○. May their soul rest in God’s eternal peace.
(〇〇様のご逝去を悼み、心よりお悔やみ申し上げます。神の永遠の平安のうちに眠られますように) -
We pray that the Lord welcomes ○○ into His loving arms.
(〇〇様が主に迎えられ、愛のうちに抱かれますようにお祈りいたします) -
May you feel the presence of the Lord, even in this time of sadness.
(悲しみの中にも、主のご臨在を感じられますように) -
Sending prayers and love. May your heart find peace in Christ.
(祈りと愛をお送りします。キリストのうちに、あなたの心が平安を見出せますように)
法人・団体として送る場合の文例
- 〇〇様のご逝去の報に接し、心より哀悼の意を表します。御社のご一同様に主の慰めと平安がありますようお祈り申し上げます。
- 貴社のご関係者である〇〇様の旅立ちに、社員一同深くお悔やみ申し上げます。主の御手の中で安らかに眠られますように。
- このたびの訃報に接し、〇〇様の信仰とご功績に深く敬意を表します。主の慰めと祝福が、ご遺族ならびに関係者の皆様に豊かにありますようお祈り申し上げます。
- 突然のご訃報に接し、深い悲しみに包まれております。貴社の皆様に主の慰めが注がれますよう、心よりお祈り申し上げます。
- 〇〇様の永遠の安息と、貴社におけるさらなる平安をお祈りいたします。
神父・牧師が故人である場合の文例
- 〇〇神父様が主のもとへ召されたことに、深い祈りとともにお別れを申し上げます。そのご生涯に感謝と敬意を捧げます。
- 主の教えを説かれた〇〇牧師様のご生涯に心より感謝申し上げ、天の御国での再会を信じてお祈りいたします。
- 福音を伝え続けられた〇〇先生の御働きに感謝し、主の御前での安息をお祈りいたします。
- 〇〇様が教会に注がれたご奉仕に敬意を表し、主の深い慰めがご遺族と信徒の皆様にありますよう祈念いたします。
- 信仰の指導者として多くの魂を導かれた〇〇様に感謝を込め、神の平安をお祈り申し上げます。
教会への感謝を含む文例
- 〇〇様の旅立ちに際し、これまで教会の皆様が寄り添ってくださったご支援に心より感謝申し上げます。
- 教会の皆様が祈りと共に支えてくださったことに、心より御礼申し上げます。〇〇様が天で主と共に歩まれますよう祈念いたします。
- このたびの悲報に際し、教会の皆様のあたたかな祈りに感謝し、故人の平安をお祈りいたします。
- 故人に寄り添い、信仰を共に歩んでくださった教会のご厚意に深く感謝申し上げます。
- 主の家として〇〇様とともに歩んでくださった教会の皆様に、心より感謝し祈りを捧げます。
弔電を送る手段と選び方
現在では、弔電の手配方法も多様化しており、従来の電報サービスだけでなく、オンラインでの申し込みや、花や台紙にこだわった弔電など、さまざまな形式で送ることができるようになっています。送り先や状況に合わせて、ふさわしい手段を選ぶことが大切です。
電話やインターネットを通じて申し込む形式では、葬儀の場にふさわしい落ち着いた印象のある台紙や文面が用意されているのが特徴です。葬儀当日や前日に届くよう手配が可能な場合もあり、確実に届けたい場合に適しています。
近年では、花付きや額装付きの弔電、オリジナル台紙を用いたサービスも広がりを見せています。教会葬の厳かな雰囲気に調和する、上質で控えめなデザインのものも多く、形式にとらわれすぎず想いを伝えたい方に適しています。
インターネットからのオンライン申し込みは、スマートフォンやパソコンから24時間いつでも手配できる点が大きなメリットです。忙しい中でもスムーズに申し込めるため、実用性の高い手段として選ばれています。入力したメッセージをそのまま反映できるため、言葉にこだわりたい方にも向いています。
弔電を送る際は、相手との関係性や葬儀の形式(教会葬かどうか)を踏まえて、文面の言葉遣いや台紙の雰囲気にも配慮することが重要です。宗教的な背景に合った表現を選ぶことで、ご遺族に対してより丁寧な印象を与えることができます。また、宛先に教会名や式場名を添えると、より敬意の伝わる文面になります。
どのような手段を選ぶ場合でも、もっとも大切なのは「心を込めて言葉を届けること」です。形式にとらわれすぎず、故人とご遺族に対する思いやりの気持ちが伝わるよう、丁寧な弔電を心がけましょう。
キリスト教葬儀で使われる言葉・聖句の紹介
キリスト教では、葬儀の場面においても神の愛や希望を感じられる言葉が重視されます。弔電に添えるメッセージとしても、聖書の一節を引用することで、より深い意味と祈りを込めることができます。ここでは、キリスト教式の葬儀や弔意を表す際によく用いられる表現や聖句をご紹介します。ご参考ください。
よく使われる表現
- 「天の御国での平安をお祈りいたします」
- 「主のもとで安らかに過ごされますように」
- 「永遠の命に与られますように」
- 「神の愛に包まれて、静かに眠られますように」
- 「主がご遺族を慰めてくださいますよう祈っております」
弔電や祈りに使える聖句例(日本語訳)
- 「わたしはよみがえりであり、命である。」(ヨハネによる福音書 11章25節)
- 「神はそのひとり子をお与えになったほどに、世を愛された。」(ヨハネによる福音書 3章16節)
- 「あなたの重荷を主にゆだねよ。主はあなたを支えてくださる。」(詩篇 55篇22節)
- 「主は私の羊飼い。私は乏しいことがない。」(詩篇 23篇1節)
- 「死はもはやなく、悲しみも、叫びも、苦しみもない。」(ヨハネの黙示録 21章4節)
これらの聖句は、弔電だけでなく、追悼メッセージや記念品への記載、教会葬儀での礼拝文にも用いられることがあります。形式だけでなく、心からの祈りを込めて使うことで、より意味のある言葉として遺族に届くでしょう。
まとめ
教会での葬儀に参列できない状況でも、心を込めた弔電を送ることで、故人やご遺族への想いをしっかりと届けることができます。仏式とは異なるキリスト教の信仰に配慮した表現を選びつつ、自分の言葉で祈りを込めたメッセージを送ることが大切です。
本記事でご紹介した文例やマナーを参考に、形式にとらわれず、相手に寄り添う気持ちを第一に考えてみてください。キリスト教の弔電においても、もっとも大切なのは「心を届ける姿勢」です。
なお、当社ではカトリック・プロテスタントいずれの教派にも対応した教会葬儀をサポートしています。信仰に沿った形で、故人の旅立ちを丁寧にお見送りいただけるよう、オリジナル棺やプランをご用意しております。教会葬に関するご相談も承っておりますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。
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